2018.04.04

「流雲」に よせる話 その一

04

 

3月31日
満月。

 

桜も満開。

 

そして個展「流雲」も
はじまりました。

 

今回の作者である
陶芸家 吉田麻衣子さんとの

出会いは2008年だったか9年。

 

studio bacoという名前の店舗を構えるなどと
まだ考えもしていなかった頃から今に至るまで
ずっと惹かれつづけている吉田麻衣子さんの
どこまでも広がっていきそうな世界。

 

であいから10年近い月日が経っているんだ。と
こうして文章にして はじめて気づき
正直驚いています。

 

であった頃から垣間みてきた
「これは何ですか?」と問わずには居られない
無性に惹かれる断片的で欠片のような作品を
夢中で拾い集める私。

 

可笑しい人。と吉田さんは笑います。

 

現実的で日常的な道具としての機能性や美しさ、
過去の伝統、はたまた時代の流れを汲みとった何かよりも
その作者の無防備さが垣間見える作品に心惹かれるので
つくり手さんに基本的に注文はしません。

 

それは わたし自身が一番
心を揺さぶられる作品や展示をみてみたいから。

 

ですが 今回めずらしく
つくり手さんに提案を持ち掛けてみました。

 

注文ではなく、あくまでも提案です。

 

今回の個展の構想は
2017年の初夏 はじまりました。

 

話は2015年に開催した
吉田麻衣子さんの個展「相関」に遡ります。

 

漆黒と銀彩。
吉田さんの深層世界を表現したかのような
立体作品を中心とした展示でした。

 

「相関」から2年が経とうとする頃。
今回の個展の企画のために
吉田さんの工房へ訪れる約束の日の朝。

 

突然、脳裏に
とあるイメージが飛び込んできました。

 

正直 伝えるべきか躊躇する気持ちも
半分ありましたが、浮かんだイメージを
そのまま工房で吉田さんへお話しました。

 

話を始めたら、半分あった躊躇は
どこかへ消えていました。

 

「bacoさんがそんなに楽しそうにお話されるなら。」


そんな風に引き受けてくださったのが

2017年6月。

 

こうして文章にしてみると とめどなく溢れて
とまらなくなってしまったので、
今日はこの辺でおしまいにして
つづきは また後日。

 

春分から晴明に移り変わる
うららかな この季節に
「 流 雲 」開催しています。